CAPs 誕生までの物語
ある日、大学の一室で、研究者たちは深いため息をついていました。目の前には入試の結果を示すグラフやデータが並び、その数字だけで合否が決まっていく現実に、彼らは何年も疑問を抱き続けていたのです。
「なぜ、あれほど優秀だった学生が不合格になるのか…」
「この試験制度のせいで、本来なら活躍できるはずの若者たちが道を閉ざされてしまっている…」
ある研究者が、憤りを抑えきれずにつぶやきました。すると、隣の学者が静かに頷きながら言いました。
「先生、私も同じことを考えていました。受験生には、それぞれ違う強みや可能性があるはずです。今の入試制度では、それを見逃してしまっているのではないでしょうか…」
二人は意気投合し、すぐに行動科学者や認知科学者、さらには情報科学や教育心理学の専門家たちにも声をかけました。やがて異分野の研究者や教育者が集い、熱い議論が交わされました。
「これからの社会に本当に必要なのは、『新しい問題に挑戦する力』や『創造的な思考力』、『コミュニケーション能力』だ」
「今の入試制度では、そうした能力を持つ受験生が評価されず、不本意な結果に終わってしまうことが多すぎる」
「このままでは、未来のリーダーや優れた人材が、制度の壁に阻まれてしまう…」
彼らは、従来の試験の枠組みにとらわれない、新しい評価方法を作ることを決意しました。数字や偏差値だけでは測れない、本当の潜在能力を見出し、入試の多様化によって埋もれてしまう受験生を救い出すために――こうして、大学の入試制度改革が動き出しました。
それが、CAPs総合診断テストの端緒です。
それから数年が経ち、東大でも推薦入試が導入されるなど、これまで硬直していた入試制度が多様化し始めました。
そこで、この流れに従って、大学の教授会や選抜委員会だけがひそかに行ってきた評価を、受験生自身が体験できるようにした初めての試みでした。
それが、CAPs総合診断テストの現在の形です。
この実証実験テストがさまざまな大学で新入生に協力してもらい広まるにつれて、実証実験が如何に合目的的であるか証明されました。CAPsは単なるテストではなく、一人ひとりが本来持っている可能性を見つけ出す「新しい扉」となったのです。
2025年3月5日
未来の受験生のために、この「新しい扉」を開きます。
CAPs総合診断テスト開発チーム 一同