CAPs -A型(入試適性診断)について

学校型推薦を使うなら突出した実績を早期に作る必要がありますか?

はい、学校型推薦を利用する場合、
「早期に突出した実績を作ること」は非常に有利に働きます。

学校型推薦では、学力(評定平均)だけでなく、人物評価・活動実績・志望理由などが重視されるため、他の受験生と差をつけるためには、「この学生に推薦を与えたい」と思わせるような目立った成果や継続的な取り組みが求められる傾向があります。

例えば:

  • 学外コンクール・大会での受賞
  • 生徒会や部活動でのリーダー経験
  • ボランティア活動や地域貢献
  • 独自の研究や探究活動
  • 志望大学・学部に関係する明確な興味と実績

こうした取り組みは高2のうちには形になっていることが理想的であり、中学時代〜高1から意識して準備することで、推薦に強いポートフォリオを作ることができます。
ただし、すべての推薦で「突出した」実績が必要なわけではなく、学校の方針や大学側の評価基準にもよります。そのため、志望校の推薦枠や求める人物像をよく調べたうえで、自分の強みをどう打ち出すかがカギになります。

志望校を偏差値だけで選んでしまっても本当に大丈夫なのですか?

偏差値だけで志望校を選ぶのは、必ずしも最善の方法ではありません。

偏差値はあくまで「入試の難易度」を示す指標にすぎず、その大学・学部で学べる内容や教育環境、自分の興味・適性とは直接関係がありません。
つまり、「入ること」だけを目標にしてしまうと、入学後にミスマッチが起こる可能性があります。

たとえば:

  • 「偏差値が高いから」と選んだ学部で、学ぶ内容に全く興味を持てなかった
  • 雰囲気や授業スタイルが自分に合わず、モチベーションが保てない
  • 卒業後の進路や資格取得が、自分の希望とずれていた

といったことが、実際によくあります。

一方で、自分の興味・将来の目標・学びたい分野を基準に志望校を選んだ人は、大学生活をより充実させやすく、進路にも納得感を持ちやすいです。

もちろん、偏差値を一切無視してよいというわけではなく、あくまで複数ある「判断材料のひとつ」として考えることが大切です。
自分の学力と目標校とのバランスを見ながら、「学びたいこと」と「実現可能性」の両面から志望校を選ぶようにしましょう。

有名大学のAOと一般入試を両方視野に入れるとブレますか?

AO(総合型選抜)と一般入試を両方視野に入れること自体は問題ありませんが、戦略を立てずに進めると「軸がブレる」可能性はあります。

  • AO入試は人物評価や意欲・経験を重視するため、自分の個性や探究的な活動が強みになる。
  • 一般入試は学力重視なので、学力を高めておけばどの大学にも対応できる。
  • チャンスが増えることで精神的な安心感も得られる。

注意点

  • 1. 準備内容が大きく異なる
  • 2. AOは志望理由書、活動報告、プレゼン、面接などが中心。一方、一般入試は教科ごとの得点力が問われます。
  • 3. → どちらも中途半端になると、結果的に両方が不十分になってしまう危険があります。
  • 4. 時間配分と優先順位の混乱
  • 5. AOに力を入れすぎて、学力が落ちてしまったり、逆に一般に集中しすぎて書類が雑になったりすると、チャンスを逃します。
  • 6. 志望理由の一貫性
  • 7. AOでは「なぜこの大学で何を学びたいのか」を深く掘り下げる必要があります。一般入試だけを意識していると、そこが曖昧になってしまうことがあります。
編入学試験制度を見越した上で、経由先としての大学選びもあり・・ですか?

はい、「編入学試験制度を見越したうえでの経由先としての大学選び」は、十分に“あり”です。
特に将来の進路や学問領域がある程度明確であれば、柔軟かつ戦略的な進学ルートとして、とても有効です。

  • 1. 最終ゴールに向けた“踏み台”としての位置づけが可能
    たとえば「第一志望の大学・学部に直接入るのは難しいが、学力や準備を整えて2年後に編入を目指す」という戦略は、時間と労力を合理的に使う方法です。

  • 2. 経由校での学びや成績が、編入時の“強力な材料”になる
    特に国公立大の編入や医療・看護・心理・教育系などでは、経由先の大学でどんな授業を履修し、どんな成績・活動を積んだかが、選考において重要な評価ポイントになります。

  • 3. 編入制度が整っている学部・大学を見極めることでチャンスが増える
    たとえば難関大学と言われる大学の多くは、毎年一定の編入学枠を設けており、試験も「学力+面接型」で実力次第で十分に突破可能です。
    そのため、「受け皿となる編入先の傾向」+「経由先での戦略的な学習」の組み合わせがカギになります。

「今の実力で入れる大学に最後まで行く」のではなく、
「将来に向かって、次の一手が打てる経由大学」
という視点で選ぶことは、非常に戦略的で賢い選択ですがほとんどの方がこのルートをご存知ありません。

編入学試験は、確実性と納得感をもって自分の道を設計する有力なルートです。

総合型選抜で受験する場合、何に重点を置けばいいのかはっきりしないのでよく分かりません。
いろいろ考えた挙句、やはり一般入試がいいと思うのですが・・・どうでしょうか?

総合型選抜が「分かりにくい」と感じる理由

総合型選抜(AO入試)は、一般入試と違って「正解がない」選考方法です。つまり、

  • 何をどこまで準備すればよいのかが曖昧
  • 評価される基準が大学によって異なる
  • 自分の経験や思いを言語化する力が問われる

という特徴があり、「学力の点数」というはっきりした指標がない分、不安になりやすい入試形式です。

それでも総合型選抜が気になるとしたら…

一方で、
「本当は自分の興味や探究心を評価してほしい」
「点数では測れない自分の魅力がある」
と感じている場合は、自分の活動や関心を整理する時間が足りなかっただけかもしれません。

たとえば:

  • 好きなことを「なぜ?」と深掘りしてみる
  • 探究活動をやってみる(テーマを決めて調べる)
  • 自分史を書いてみる

といったことをしていくと、少しずつ「総合型の言語」が見えてくることもあります。

年内入試でどうにか決めたいのですが、入試制度が多すぎて混乱しています・・
どこに相談しても、他人事なので誰も真剣に聞いてくれません・・・

その気持ち、とてもよく分かります。
年内入試(総合型選抜、公募推薦、指定校推薦など)は確かに制度が複雑で、しかも人によって「向き・不向き」があるため、自分に合った選択を見つけるには本当はじっくり話を聞いてもらう必要があるんですよね。

でも現実には、
「学校の先生も忙しそうで深く相談できない」
「塾では“あなた次第”で済まされる」
「ネットは情報が多すぎて余計に混乱する」
…そんな風に感じている方、本当に多いです。

本当に誰かと“対話”できる場所が必要
あなたが感じている「他人事のようにしか聞いてくれない」という不満は、裏を返せば、あなた自身が自分のことを一生懸命に考えている証拠です。

受験って、本当は“制度選び”じゃなくて、自分のこれからを一緒に考えてくれる人との出会いが必要です。

ここでは、あなたの話を“他人事”にはしません。

文系学部に進んでも、理系や医療系に編入・転向できるルートはありますか?

はい、文系学部から理系・医療系に編入・転向するルートは、確かに存在します。 ただし、制度の理解・学習の準備・時間的な計画が必要です。

事実、大阪大学医学部学士編入学の要綱には次のような文言が明示されています。

「本制度は、これらの学問的要請に呼応して、医学以外の分野(特に理工学系並びに社会科学系)を既に専攻した者、並びにその分野について相当の知識を有する者に医学の今後の進歩に寄与し得る道を開き・・・

こうした背景から、文系出身者で医師になる方も多くおられます。

歯科衛生士や検査技師などのコメディカルに進んでも、医師や歯科医師に編入・転向できるルートはありますか?

とても鋭いご質問です。
歯科衛生士や臨床検査技師などのコメディカル(医療系専門職)から、医師や歯科医師を目指すルートは、確かに存在します。ただし、計画的な準備と制度の理解が重要になります。

  • 検査技師 → 国公立医学部 編入合格(学士編入)
  • 歯科衛生士 → 歯学部 編入・一般入試合格
  • 看護師 → 医学部再受験、30代で合格
  • 学力だけでなく、医療現場経験を活かした志望理由・面接対策の充実。
  • 長期的な計画を立てることが重要です
SNSやインターネットをいくら見ても、息子の進路について時代も変わったのでついていけません。学校や塾からは、「今の成績からみた意見」しか頂けません。
そうではなく、息子にしっかり向き合った上で、考えてくれる専門家を探しています。

お母さまのように、「成績だけでなく、息子の個性や未来を考えた進路を一緒に考えてほしい」という声は、とても大切な視点です。

学校や塾では成績をもとにしたアドバイスが中心になりがちですが、今の時代こそ本人の興味・性格・価値観に合った進路設計が求められています。

時代は本当に変わりました。SNSやAI、グローバル社会の中で、「正解がひとつではない世界」を生きていく子どもたちにとって、大人が“その子自身”を見ようとする姿勢こそが、何よりの支えになると思います。

お母さまが「成績ではなく、本人らしい進路を考えたい」と願っておられることは、息子さんにとっても、何より心強いことだと感じます。 敢えて進路を模索する意味で、遠回りさせるルートを選ぶことも良い経験になると思います。大学進学だけでなく、幅広い選択肢の中から一緒に考えていきましょう。

CAPs -B型(本質的適性診断)について

自分が何に興味あるのか分からないんです。どうやって見つけたらいいですか?

まずは「自分が反応したこと」に注目してみましょう。
日常の中で「なんとなく気になる」「調べたくなる」「人に話したくなる」ことは、すでに興味の“芽”です。
新聞記事・YouTube・学校の授業・趣味など、関心の種を広く拾って言葉にしてみると、自分でも気づいていなかった興味が見えてきます。探究活動や進路ワークシートの活用もおすすめです。

学部や学科の違いがいまいち分かりません…。どこがどう違うんですか?

学部は「大まかな学問のジャンル」、学科はその中の「専門分野」です。
たとえば「経済学部」の中に「経済学科」「国際経済学科」などがあります。
似ている学部(例:経済学部と経営学部)も、学ぶ視点や目的に違いがあります。オープンキャンパスの模擬授業や、大学のシラバス(授業一覧)を見ると、違いがよく分かります。

将来の夢が決まっていなくても学部って選べるんですか?

はい、大丈夫です。将来の職業が明確でない人でも、興味のあるテーマや得意なことから学部を選ぶことは可能です。
大学に入ってから視野を広げ、進路を考える人も多いので、「これを学んでみたい」「高校よりも深く学びたい」という動機があれば、それは十分な出発点になります。

文系と理系、どっちを選べばいいか分かりません。どう考えたらいいですか?

文系・理系の分かれ道は、「好きな科目」や「将来のイメージ」から考えることができます。
理系は自然科学や技術、文系は人間や社会に関する学問が中心です。ただし、心理学や情報学など、文理の境界にある分野も多いため、固定的に考える必要はありません。まずは「自分はどんな問いを面白いと感じるか?」を考えるのがカギです。

自分の性格って、どんな学問に向いてるんでしょうか?

性格と学問の相性はありますが、どんな性格でも活かせる学問はあります。
たとえば「観察が得意=生物学」「空想や物語が好き=文学・哲学」「人の気持ちに敏感=心理・福祉」「論理的な思考が得意=数学・法学」など、自分の性格傾向からヒントを得ることはできます。CAPs診断や対話を通して整理するのも効果的です。

好きな科目と学部って、どうやってつなげればいいんですか?

まずは「なぜその科目が好きなのか?」を言語化してみましょう。
たとえば、「国語が好き」でも、「文章を読むのが好き」「人の感情に共感できる」「論理を組み立てるのが得意」など、理由によってつながる学部が変わります。好きな科目を起点に、自分の得意な“考え方”や“視点”を洗い出してみましょう。

そもそも“学問”って何を学ぶんですか?高校とは違うんですか?

高校の勉強は“基礎知識の習得”が中心ですが、大学の学問は“問いを立てて自分で考える”ことが中心です。
たとえば「歴史」では、ただ出来事を覚えるのではなく、「なぜその出来事が起きたのか?」「他国と比べるとどうか?」といった視点で深く考えていきます。好奇心に根ざした“探究の旅”が大学の学問です。

専門性を深めるってどういうことですか?将来にどう関係するんですか?

専門性を深めるとは、「あるテーマについて継続的に深く学び、自分なりの視点や方法で理解・発信できる力を育てること」です。
たとえば、観光を学んだ人が「文化財保存の専門家」になったり、情報学を学んだ人が「AI倫理の研究者」になるなど、専門性はそのまま職業や社会貢献の道につながります。

自分で選ぶのが苦手です…。誰かに“あなたこれ向いてるよ”って言ってもらいたいんです

その気持ちはとても自然です。進路は選択肢が多すぎて、ひとりで選ぶのは難しいものです。
でも大切なのは、他人に“決めてもらう”のではなく、対話を通して自分の可能性に気づくこと。誰かと一緒に話すことで、「自分の言葉」が生まれてくることがあります。遠慮せず、進路対話の場を探してみてください。

とりあえず偏差値で選んじゃダメですか?

偏差値はひとつの“目安”として活用するのはOKです。
ただし、偏差値だけで選んでしまうと、「学んでいて面白くない」「自分のやりたいことと違った」というミスマッチが起きやすくなります。
偏差値と同時に「何を学べる大学か?」「自分が成長できそうな環境か?」という観点も持つことで、後悔の少ない選択になります。